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謹んで新春のお慶びを申し上げます。
平素より会員の皆様におかれましては、企業年金連合会(以下、連合会)の事業運営につきまして、格別のご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
平成26年4月に施行されました「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」により、厚生年金基金の皆様におかれましては、今後の制度運営の方向性に関する検討など、その対応に苦労を重ねられているものと思います。
連合会では、こうした取り組みの過程でさまざまな課題が生じていることを踏まえ、厚生年金基金の皆様のご意見・ご要望をお伺いしたうえで、一昨年の11月と昨年7月に要望書として取りまとめ、厚生労働省に提出いたしました。
また、厚生年金基金の皆様の円滑な制度移行を支援するため、昨年8月から「制度移行を予定している厚生年金基金の意見交換会」を地方協議会(部会)と連携しながら全国各地で開催しています。
本年においても、各種ご相談への対応なども含め、基金の皆様の取り組みへの支援に努めてまいります。
本年は、確定拠出年金法制定15周年を迎える節目の年でもあります。昨年の通常国会に提出されていた「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」は、成立が見送られ継続審議となりましたが、企業年金の普及・拡大や個人の自助努力への支援の充実を図るうえで重要な内容を含んでおり、その早期成立が望まれるところです。
この法案には、中小企業向けの対応として、設立手続きを緩和した「簡易型DC(確定拠出年金)制度」や、個人型DC加入者の掛金に事業主による追加拠出を可能とした「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度」の創設が盛り込まれており、一定の前進と考えています。
また、ライフコースの多様化への対応として、個人型DCの加入者範囲の拡大が盛り込まれたところであり、個人型DCの普及・拡大が企業年金の健全な発展と相まって、老後の所得確保への支援の充実が図られることを期待します。
これらに加え、DCからDB(確定給付企業年金)への資産移換を可能とするなどのポータビリティの拡充が盛り込まれたことは望ましい方向での改正だと考えますが、一方で、DCからDBへの資産移換については、DB規約に当該資産受け入れの規定が必要との問題が残ります。そこで、こうした資産の移換先として、確定給付型の通算企業年金を支給する連合会も選択肢として検討していただきたいと考えます。
昨年9月開催の社会保障審議会企業年金部会では、あらかじめDBの財政悪化を想定した事前の掛金拠出を可能とする「リスク対応掛金」や、将来発生するリスクをどのように分担するか労使であらかじめ合意し定めておく仕組みである「リスク分担型DB(仮称)」が提示されました。「リスク対応掛金」は、DBの財政運営の健全化に資するものであり、また、「リスク分担型DB(仮称)」は、より柔軟で弾力的な制度設計を可能とし、企業年金の選択肢拡大につながるものと考えます。
これらの提案に対し、連合会としては政策委員会等における議論を踏まえ、昨年11月に早期実現等を求める要望書を厚生労働省に提出いたしましたが、年末の与党税制改正大綱にこれらが盛り込まれたことは大きな前進であったと思います。
連合会では、共同運用事業や企業型DCにおける継続教育の共同実施など、新たに求められる役割の実施に向けた検討を進めていくことに加え、従来からの政策提言活動や研修事業、資産運用や事業運営に関するコンサルティングといった事業についても、しっかりとその役割を果たしてまいります。本格的な利用が始まる個人番号についても、各企業年金における取り組みへの支援に最善を尽くしてまいります。
中途退職をされた方については、ポータビリティ制度の活用によって将来の年金給付に結び付けていただくことが老後の資産形成という面で重要です。通算企業年金のさらなる普及を通じ、老後所得の確保を実現していくことも我々の使命の一つと捉え、その普及・拡大に向け邁進していきたいと思います。
結びに、企業年金関係者の皆様のこの一年のご多幸を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。