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謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
会員の皆様におかれましては、旧年中は企業年金連合会の事業運営につきまして、格別のご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
美しく和やかな風月を賞した万葉歌の序文を典拠とする令和の時代が幕を開け、初めての新年を迎えました。
振り返れば、平成は企業年金にとって苦難の時代でした。長期にわたり厳しい経済情勢が続き、バブル経済崩壊後、退職給付会計の導入などにより厚生年金基金の代行部分の負担が顕在化しました。こうした中、確定給付企業年金法が制定され、多くの厚生年金基金が確定給付企業年金に移行しました。その後、リーマンショックを経て、企業年金の運用環境は厳しい状況となり、さらに、AIJ投資顧問事件が起こり、厚生年金基金の新設は認められず、代行返上や解散が促されました。最大1888基金あった厚生年金基金は昨年11月時点で8基金に減少しています。近年は、景気の回復基調を背景に運用環境も比較的良好ですが、これまでの間、企業年金関係者の皆様におかれては、大変なご苦労をされたことと拝察します。
令和の時代がどのような時代になるか予断を許さないところですが、確実に言えることは日本社会の高齢化が一段と進展するということです。これを象徴する出来事が昨年起こりました。いわゆる老後2000万円問題であり、年金を中心とした老後資金の問題に対し、多くの国民が不安を抱いていることが改めて認識されました。
こうした中、昨年は年金制度改革に向けた議論が本格的に始まりました。公的年金については、昨年夏に財政検証結果が公表され、多様な働き方に対応するための被用者保険の適用拡大、就労期の長期化を年金水準の確保・充実につなげるための在職老齢年金制度の見直し、年金受給開始時期の選択肢の拡大が議論されています。
私的年金についても公的年金と軌を一にして議論が進められています。昨年2月から社会保障審議会企業年金・個人年金部会において審議が重ねられ、次期制度改正の方向性が示されています。
連合会では、企業年金関係者及び有識者にご議論いただき取りまとめた企業年金制度研究会報告書や政策委員会等における議論を踏まえ、税制改正等に係る要望書を厚生労働省に提出しました。また、企業年金・個人年金部会には、私がオブザーバーとして参加し、毎回、現場の声を届ける立場に立って、意見を述べてまいりました。特に、企業の退職給付制度として活用されている企業年金の実態を尊重し、活用しやすい柔軟な仕組みを維持すること、中小企業の受け皿となっている総合型基金の円滑な運営に配慮することについて強調してまいりました。その結果、加入可能年齢の引上げ、iDeCoプラスの事業主の対象範囲の拡大、外国籍人材の帰国の際の中途引出し等の連合会が要望した事項が多く制度改正の検討項目に取り上げられています。
私的年金制度については、拠出と給付の在り方等残された課題について今後検討することとされており、引き続き実効ある政策提言に努めてまいります。
また、年金制度間のポータビリティの要である年金通算事業を確実に実施するとともに、研修事業、コンサルティング事業、共同運用事業、DC継続投資教育事業などに引き続き取り組み、皆様のニーズに応えてまいります。
令和の時代において、企業年金の果たす役割は、ますます重要になると考えております。連合会は、企業年金の一層の普及・発展に尽力し、老後の安心の確保に貢献してまいる所存であります。
結びに、企業年金関係者の皆様のこの一年のご多幸を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。