プラスアルファ部分

厚生年金基金は、老齢厚生年金の一部（代行給付）を代行し、これを上回る給付を行わなければならないとされており、この代行給付に上乗せして支給する独自の給付区分のこと。一方、代行給付を支給する給付区分を「代行部分」という。

このプラスアルファ部分は、代行給付と一体化して給付する「基本プラスアルファ部分」と、退職一時金制度を移行するなど、独自に設計した給付である「加算部分」とに分類できる。

基本プラスアルファ部分には、金額の上乗せ（一般に薄皮部分と言われる）の他に、老齢厚生年金が（支給要件を満たしていない、在職中で支給停止されている等の理由により）支給されない場合に代行給付相当額を支給するものも含まれており、この給付を「独自給付」という。厚生年金基金が代行返上して確定給付企業年金に移行した場合でも、この独自給付は引き継がれることになる。

厚生年金基金の給付＝代行部分+プラスアルファ部分
　　　　　　　　　　＝代行部分+基本プラスアルファ部分（薄皮部分+独自給付）+加算部分

なお、代行部分と基本プラスアルファ部分は平成22年3月30日までを基準日とする厚生年金基金の財政計算においては一体のものとして計算することとされていたが、同31日以降を基準日とする場合には両者の財政運営を完全に分離した上でそれぞれ掛金計算を行うこととされた。ただし、平成24年3月31日以前を基準日とする場合の猶予措置があった。