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機関投資家が、顧客・受益者と投資先企業の双方を視野に入れ、「責任ある機関投資家」として「スチュワードシップ責任」を果たすにあたり有用と考えられる諸原則を定めたもの。本コードに沿って、機関投資家が適切にスチュワードシップ責任を果たすことは、経済全体の成長にもつながるものとして、平成26年2月に金融庁に設置された「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」において、策定・公表された。
本コードについては、企業年金関係では、企業年金連合会及び9つの企業年金基金が受入れを表明しており、それ以外では、運用機関で186社、公的年金の運用関連等で、年金積立金管理運用独立法人(GPIF)、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、国民年金基金連合会等が受入れを表明している(平成30年2月19日現在)。
各原則を順守するか、順守しないのであればその理由を説明するよう求められている(コンプライ・オア・エクスプレイン Comply or Explain)点に特徴がある。
日本版スチュワードシップ・コードの7つの原則
1.機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
2.機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
3.機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
4.機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。
5.機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。
6.機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。
7.機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。