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投資教育については「投資教育ハンドブック」もご参照ください。
投資教育の内容について法令解釈通知では、下記4つのテーマを掲げています。
A)確定拠出年金制度等の具体的な内容
1.わが国の年金制度の概要及び年金制度における確定拠出年金の位置づけ
2.確定拠出年金制度の概要
①制度に加入できる者、拠出限度額、マッチング拠出の効果
②運用商品の範囲、加入者等への運用商品の提示の方法及び運用商品の預替え機会の内容
③運用の指図は加入者等が自己責任において行うこと
④指定運用方法を提示している場合は、指定運用方法の概要。指定運用方法が自身に適さない場合は、他の運用商品を選択すべきであること
⑤給付の種類、受給要件、給付の開始時期及び給付(年金または一時金別)の受取方法
⑥加入者等が転職または離職した場合における資産の移換の方法
⑦拠出、運用及び給付の各段階における税制措置の内容
⑧事業主、国民年金基金連合会、企業年金連合会、運営管理機関及び資産管理機関の役割
⑨事業主、国民年金基金連合会、運営管理機関及び資産管理機関の行為準則(責務及び禁止行為)の内容
B)金融商品の仕組みと特徴
①その性格または特徴
②その種類
③期待できるリターン及び考えられるリスク
④投資信託、債券、株式等の有価証券や変額保険等については、価格に影響を与える要因等
C)資産の運用の基礎知識
①資産の運用を行うにあたっての留意点(すなわち金融商品の仕組みや特徴を十分認識した上で運用する必要があること)
②リスクの種類と内容(金利リスク、為替リスク、信用リスク、価格変動リスク、インフレリスク等)
③リスクとリターンの関係
④長期運用の考え方とその効果
⑤分散投資の考え方とその効果
⑥一律に決まるものではないが、長期的な年金運用の観点から分散投資が有用であることが少なくないこと
D)確定拠出年金制度を含めた老後の生活設計
①老後の定期収入は現役時代と比較し減少するため、資産形成は現役時代から取り組むことの必要性
②平均余命などを例示することで老後の期間が長期に及ぶものであること及び老後に必要な費用についても長期にわたり確保することの必要性
③現役時代の生活設計を勘案しつつ、自身が望む老後の生活水準に照らし、老後に必要となる一般的な生活費の総額を例示しつつ、公的年金や退職金等を含めてもなお不足する費用(自身が確保しなければならない費用)の考え方
④現役時代の生活設計を勘案しつつ、老後の資産形成の計画や運用目標の考え方(リタイヤ期前後であれば、自身の就労状況の見込み、保有している金融商品、公的年金、退職金等を踏まえた資産形成の計画や運用目標の考え方)確定拠出年金や退職金等を含めた老後の資産形成の計画や運用目標の考え方
⑤加入者等が運用商品を容易に選択できるよう運用リスク度合いに応じた資産配分例の提示
⑥離転職の際には、加入者等の自らの手続きにより個人別管理資産を移換し、運用を継続していくことが重要であること
項目は多岐に及びますが、ここに掲げたテーマは少なくとも実施すべき内容であって、これだけを実施すれば十分だというものではないことに注意が必要です。
法令解釈通知(平成13年8月21日厚生労働省年金局長通知)において、それぞれの位置付けと留意点を次のように示しています。
1.導入時教育(加入時教育)
加入時には、実際に運用の指図を経験していないことから、確定拠出年金制度における運用の指図の意味を理解すること、具体的な資産の配分が自らできること及び運用による収益状況の把握ができることを主たる目的として、そのために必要な基礎的な事項を中心に教育を行うことが効果的である。
事業主等は過大な内容や時間を設定し、形式的な伝達に陥ることのないよう、加入者等の知識水準や学習意欲等を勘案し、内容、時間、提供方法等について十分配慮し、効果的な実施に努めること。
2.継続教育(継続投資教育)
加入後の投資教育は、加入時に基本的な事項が習得できていない者に対する再教育の機会として、また、制度に対する関心が薄い者に対する関心の喚起のためにも極めて重要である。
このため、事業主等は、加入後も定期的かつ継続的に投資教育の場を提供し、加入者等の制度理解の向上や、自身のライフプランの中で適切な運用となっているかを確認するよう促していく必要がある。
加入者が実際に運用の指図を経験していることから、加入前の段階では理解が難しい金融商品の特徴や運用等についても運用の実績データ等を活用し、より実践的、効果的な知識の習得が期待される。
投資教育の実施にあたって工夫する点や注意点を「継続投資教育実践ハンドブック」の後半に「継続教育実施ガイド」としてまとめています。ぜひご参考にしてください。
その他のポイントとしては以下を抑えておくとよいでしょう。
(1)実施にあたっての課題や問題を整理し伝えておくこと
加入者等の現状と課題を整理し、どのような投資教育をしてほしいか伝えます。また、自社の退職給付制度の全体像を担当者に理解しておいてもらうことも大切です。
(2)教育の内容や方法を把握すること
事前に投資教育の内容や方法について十分な説明を受けるように努めます。できれば実際の教育と同様のロールプレイングをしてもらい、加入者代表等と一緒に聞いてみるとよいでしょう。必要に応じて改善を要望します。
(3)資料配布や就業時間中の開催、会場の確保など協力すること
少なくとも導入時教育(加入時教育)は就業時間内での開催が望ましいでしょう。また、社内の会議室や講堂などを提供することでコスト削減はもちろん、参加しやすくなります。
(4)実施状況や効果の把握に努めること
受講後のアンケートのほか、運用状況の変化やスイッチングのなどを確認し、投資教育の効果を確認することが大切です。
投資教育の実施にあたって工夫する点や注意点を「継続投資教育実践ハンドブック」の後半に「継続教育実施ガイド」としてまとめています。ぜひご参考にしてください。